油性樹脂用改質剤（加水分解抑制剤）
油性樹脂用改質剤（加水分解抑制剤）
カルボジライト油性樹脂用改質剤は、溶剤可溶型のポリカルボジイミド樹脂です。活性水素を含有する油性樹脂の架橋剤、エステル系樹脂の加水分解抑制剤、エポキシ樹脂の吸水率低減や熱可塑性ポリウレタン樹脂（TPU）の耐加水分解性・密着性向上に優れた効果を発揮します。
特長
- カルボキシ基、フェノール基を持つ化合物に対する反応性に優れる
- エポキシ基、アミノ基を持つ化合物に対する反応性を有する
- 多官能であり、優れた効果を発揮
- TPU原料イソシアネート・ポリオールに添加可（Elastostab H01※）
※Elastostab H01：BASF Polyurethanes GmbH社（BASFグループ）の製品です
一般物性
- 無溶剤タイプ（樹脂分100％）、溶液タイプの２タイプがあり、樹脂の使用溶媒や用途、要求性能に合わせた使い分けが可能
・無溶剤タイプ（樹脂分100％）
| 品名 | V-02B | V-05 | Elastostab H01 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 有効成分(wt%) | 100 | 100 | 100 | ||
| 溶媒 | 無溶媒 | 無溶媒 | 無溶媒 | ||
| NCO基※a | なし | 8.2% | なし | ||
| 溶解性 | BTX、MIBK | ○ | ○ | ○ | |
| 酢酸エチル | ○ | ○ | ○ | ||
| DMF※b、MEK | ○ | ○ | ○ | ||
| PGMEA※c | ○ | ○ | ○ | ||
・溶剤タイプ
| 品名 | V-03 | V-07 | V-09 | V-09GB | |
|---|---|---|---|---|---|
| 有効成分(wt%) | 50 | 50 | 50 | 70 | |
| 溶媒 | トルエン | トルエン | DMF※b | MEK | |
| NCO基(樹脂中)※a | なし | 0.5% | なし | なし | |
| 溶解性 | BTX、MIBK | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 酢酸エチル | × | ○ | ○ | ○ | |
| DMF※b、MEK | × | ○ | ○ | ○ | |
| PGMEA※c | × | ○ | ○ | ○ | |
※a：代表値
※b：N,N-ジメチルホルムアミド（CAS No.68-12-2）
※c：プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート（CAS No.108-65-6）
効果
- 金属、有機・無機材料に対する密着性が向上
- 耐熱性が向上
- 耐加水分解性が向上
- 吸水率の低減
【添加効果例】
- エステル系ポリウレタン樹脂の耐加水分解性
引張強度保持率から樹脂の耐加水分解性を評価
試験方法：厚さ0.2mmのフィルム状試験片を95℃の温水中に所定の時間浸漬させた後、引っ張り強度を測定。
油性架橋剤添加量：1wt%
用途例
- 溶剤系ポリエステル樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂の加水分解抑制剤
- 溶剤系カルボキシ基含有樹脂の架橋剤（アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂など）
- 塗料、インキ、コーティング剤、接着剤などの改質剤（耐久性、密着性向上など）
- エポキシ樹脂の改質剤（吸水率低減、密着性向上）
- 熱可塑性ポリウレタン樹脂（TPU）の改質剤（耐加水分解性、密着性向上）